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「特ラ連設立20周年」をお祝い申し上げます

森光子様“マイクロフォン”マイクとは芸能生活のはじまりから永いご縁がございます。
 昨年11月の明治座「晩秋」の舞台では、進駐軍キャンプのサロンで「センチメンタル・ジャーニー」を振り袖姿で歌う役を演じました。お弁当箱のようなスタンドマイクは本物そっくりの造りものの小道具でしたが、見えない位の小さなワイヤレスマイクが付いておりました。思いおこしますと、映画時代の天井から吊り下ろされたマイク、戦争中に歌手として満州や南方に慰問団に参加した時の大きなマイク、戦後ラジオドラマやラジオ漫才の時のスタンドマイク、その後のワイヤレスマイクとのおつきあいも、もう半世紀になります。東京宝塚劇場や帝国劇場等の大劇場長期公演ではワイヤレスマイクを必ず使用してまいりました。音楽の多く入るお芝居やミュージカル公演では、台詞と音楽のバランスを取る為にも、ワイヤレスは無くてはならない大切なものなのです。
 体調を崩したり、喉を酷使しすぎた時などには、ずいぶん助けてもらいました。
でも初期の頃のワイヤレスは、電池ボックスを背中にはさみ込み、コードでつながれたキャラメル箱大のマイクを胸に入れておりました。ですから帯の間からコンパクトを出す時や、胸もとに懐紙を入れる時などに出るノイズに苦労もいたしました。しかし今日では、全てが小型化され、かつらの中を通したコードの先がミニマイクとなって、もみ上げの所に出ているだけで、どのようなセリフの声でも明確に増幅してくれますので、本当に助かっております。
 ワイヤレスマイク技術の向上の為に、日夜ご苦労ご苦心をされている方々に深く感謝をいたしております。そして私も生涯現役として末永くワイヤレスマイクにお世話になり良いお仕事をさせて頂きたいと思います。
 「特ラ連」様に感謝申し上げますとともに、益々のご発展を心よりお祈りいたしております。

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