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 特定ラジオマイク利用者連盟は、平成14年7月2日、東京都北区の「北とぴあ」において、平成14年通常総会並びに各種行事を実施いたしました。

1 通常総会 午後3時〜4時 14階 瑞祥の間
2 第2回功績賞表彰式 午後4時〜4時30分
3 セミナー「放送デジタル化の動向」 午後4時30分〜5時30分
4 懇親会 午後6時〜8時 16階 天覧の間

  
1.総会
 最初に八幡理事長は「私どもはワイヤレスマイクの環境を考えるということをやっているわけですが、皆様のご協力でその環境を守ることができ、感謝しております。
 先日イギリスで、音響の環境を守るという懇談会に出席してきましたが、イギリスにおいてもワイヤレスの需要が上がってきており、私どもが10年以上前に頭を痛めておりましたことがヨーロッパで起きているようです。文化交流が盛んに行われている時に、このワイヤレスが足を引っ張っていることが各国の問題となっている、ということで意を強くしたしだいです。今後とも今の環境をより良いものにしたいと思いますのでよろしくお願いいたします」とワイヤレスマイクの環境作りを強調しました。
 総会出席者数38名、委任状138で、規約27条の通常総会開催のための、正会員数の10分の1を超えており、総会は成立。八幡理事長の上記の挨拶のあと、規約により理事長が議長席につき、議事録署名人に則行正信(株式会社ドリーム代表取締役)と岡野修(株式会社スカイパーフェクトコミュニケーションズ技術顧問)の両氏を選び議案審議に入りました。
 第1号議案 平成13年度事業報告、収支決算ならびに監査報告
 第2号議案 平成14年度事業計画(案)及び収支予算(案)
 第3号議案 その他
事業報告では「ペイオフ解禁になり法人化積みたて準備金はどのように扱っているか」との質問がありましたが、事務局から3ケ所に分割預金している、と説明。金子監事の監査報告は満場一致の拍手で可決されました。


2. 功績賞表彰式 第2回功績賞は3名です。 5頁選考委員会報告もご覧ください。
1 運用功績賞   オリジナルミュージカル「ビリーブ・イン・ミー」
受賞者 島根県民会館 音響スタッフ代表 戸谷 好秀殿
受賞理由 島根の小さな学校を舞台にしたこのオリジナルミュージカルは、音像定位システムやオーケストラのピックアップ等にワイヤレスマイクを効果的に使用し、おおきな話題を呼び、地域の文化向上に多大の貢献をした功績をたたえます。
2 運用功績賞 「第52回NHK紅白歌合戦」
受賞者 日本放送協会 放送技術局制作技術センター
音楽芸能番組技術 梅田 芳政殿
受賞理由 音声スタッフ70名余の極めて大掛かりな国民的行事の歌の祭典を相互干渉防止、混信対策など周到な計画のもと、緻密な香盤表にもとづいて4時間10分の生放送を成功に導いた功績をたたえます。
3 運用功績賞 「岩手の民謡をたずねて正調・南部牛追い唄から現代まで」
受賞者 岩手県民会館 阿部 富美雄殿
受賞理由 地元の唄を地元のホールで、地元の放送局のテレビ中継の技術者と事前に綿密な打ち合わせを行い、ワイヤードとワイヤレスマイクを効果的に運用し、大掛かりな舞台公演を成功に導いた功績をたたえます。

表彰式のあとの金子選考委員長の合評から
 「第52回紅白歌合戦」これは番組自体のスケール、重さというか、このような観点から見ますと担当される方が身がキリキリする緊張の中でやっておられると思います。音関係だけでも70名からの大部隊を率いてまとめられたわけで、暮れの番組ですから代々木周辺はワイヤレスマイクの使用本数も増えるでしょうし、このようなことから特ラ連の運用連絡データをフルに利用されてチャンネルプランを作成されたということで、特ラ連の事務局にとっては大変うれしい受賞であろうかと思います。
 岩手県民会館さんの「岩手の民謡…」、島根県民会館さんの「ビリーブ・イン・ミー」。この二つとも地域に密着して地域のためにやっておられることに感動しました。これからの各地の市民会館、県民会館さん等への刺激になり、地域の皆さんのための演目がどんどん増えていく、これは私たちの願望でもあります。

3. セミナー「放送デジタル化の動向 講師 NHK放送文化研究所
    計画・開発 主任研究員 鈴木祐司氏
 出席者 70名  詳しくは次号掲載予定です。
 BSデジタル放送の現状と地上波デジタル放送についてきわめて具体的に説明いただいた。幅広く世論調査されたデータを公開。日本は1996年にCSデジタル放送を開始、アメリカの放送の2年後で世界的にみても早い方である。しかし一般人のBS、CS、デジタル等の字句そのものの認識度の低さも指摘された。

4.懇親会  出席者 70名
 ・来賓としての、2002年FIFAワールドカップ日本組織委員会(JAWOC)放送業務局電波部部長の高原実氏は「今回のワールドカップが成功裡に終わりましたことのご報告かたがた、皆様に大変な協力をいただきましたことに感謝したいということで出席させていただきました。当初、ワイヤレスが1万台を超えるものが集まってくるということで、用意周到の準備をして待ち受けておりましたが、結果的にはそれほど無線機は集まりませんでした。特定ラジオマイクの周波数帯を外国の報道に使っていただいたわけですが、連日特ラ連の事務局からいただく連絡を参考にして各スタジアムの周波数利用等の計画をしまして混信のない使用が可能になりました」と謝意を述べられました。
 ・功績賞受賞者の挨拶から
 岩手県民会館の阿部さん「私ひとりでもらったわけではなく、スタッフ全員のおかげです。帰ったらみんなで祝杯をあげます」。
 NHKの梅田さん「このような名誉ある賞をいただきまことに有難うございます。音声だけでも70余名、ワイヤレスマイクをとりまく環境が厳しくなってきている中、ホールのまわりの代々木体育館などの状況を考えながら使用しました。今回の賞は今後の糧になるのではないかと思います」。
 島根県民会館の戸谷さん「ミュージカルの台本、出演とも一般公募で行いました。ですからあのミュ−ジカルは日本中で私どものところでしかやっておりません。ワイヤレスマイクの使用方法を日々考えてやってきたつもりです。有難うございました」。
 ・乾杯の音頭並びにご挨拶 
 電波産業会(ARIB)専務理事 若尾正義氏は「かつて微弱電波の許容値を変えようという話がありまして、これを変えるとワイヤレスマイクが使えなくなるという大きな問題があり、新しいシステムに移行させようと皆さん方とワイヤレスマイクの規格を作りました。周波数の確保、そして他からの妨害のない新しい電波を探さなければならない、とこれが大変でした。また多数使用のときの三次の相互変調の問題があり苦労した記憶があります」と思い出話のあと乾杯に入りました。