座談会 「現場技術者大いに語る」


伊藤

























司会
伊藤
ワイヤレスマイクの現状 自己紹介もかねて

 私は帝国劇場で管理的なことが仕事で、音響関係に直接、音響設計とかオペレ
−トはやっていないんです。
 以前のワイヤレスマイク、40MHz とか、100MHzのころ、20年くらい前でしょうか、そのころワイヤレスマイクは音質的には、ワイヤ−ドに比べれば明らかにそれと分かるような音質でしたし、電波的にも現在のワイヤレスマイクの安定性を考えると当時のものは信頼性は高くはなかったですね。
 例えば、ある日を境に強烈な外来ノイズ、ところがノイズを発生するのは、平日の公演のみで、夜の公演と土日の公演には発生しない、調べてみると客席の上の階にある会社の新しい大型コンピューターが9時から5時まで稼動し、それが外来ノイズとして影響している事が判明しました。結局、こちらのワイヤレスの周波数を100MHzから200MHzに上げて解決しました。
 またこんなこともありました。舞台稽古はノイズも無く順調に稼動していましたが、初日、お客さんが入ると途端にノイズが発生し、こんどは夜公演も土日の公演にもバリバリ、とノイズだらけ、ところが、お客さんの入りが悪いとノイズがでない。
 調査すると、客席の椅子と絨毯が新しく張り替えてあり、静電気の影響でお客さんが腰を動かす度にバリバリとノイズが発生するのが判明しました。
 これの対策としては、客席の空調の湿度を上げる事で解決しました。
 800MHzになってからはどうです?
 外来のノイズについては格段に減ったと思いますね。幾度かは経験していますが、再現性がないと原因の追及はむつかしいですね。