ちょっとブレイク

 最近、ちょっと気になるDVDを見つけたので レポートします。 サウンドエンジニア必見!( アナログマニア 涙ちょちょぎれる物語 )です、
特に若い方々に ( 専門学校の生徒さん達に )見て頂きたいドキュメンタリーでレコーディング技術史にもつながる記録だと思います。

Dr ルパート・ニーブ デザインのNEVE8028 レコーディングコンソールを軸に70年代からの、アメリカンサウンドの一翼を担ってきた、スタジオヒストリーとそのコンソールの魅力に憑かれたミュージシャンのサウンドフィロソフィーなど盛りだくさんな内容で、冒頭のニール・ヤング「アフター・ザ・ゴールドラッシュ」の逸話や、フリートウッド・マック結成の秘話など、オールドファンにも興味が尽きません。

監督のデイブ・グロールはニルヴァーナやフーファイターズのドラマーとして有名ですが、いずれにせよ、我々が大事にしていきたいと思っているところを、しっかりと伝えてくれている映像であると感じました。

オープニンングシーンのプロデュサー&エンジニア ジェームス・パーソンが新しいスタジオで NEVE 8028 のアップから STUDER A820 マルチトラックレコーダーに2インチのマスターテープを掛けるシーンは 頭から何かが始まるドキドキ感を与えてくれます。

サウンドシティースタジオの生い立ちから ニール・ヤング、フリートウッド・マックトム・ペティー&ザ・ハートブレーカーズ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、メタリカ、など ビックネームのアルバムジャケットがテンポよく映し出されると さらに懐かしさもこみ上げてきます。
サウンドシティースタジオで録音されたアーティストとアルバムは スタジオのサイト
http:// soundcitystudios.net/recordings-by-year
こちらで、チェツクすることができます。( ノベルティー物もカッコ良さそうです。)

特に若い方々には キャプチャーNo11 からの NEVE 8028 コンソールの移設は見て頂きたいところです。モジュールを外したフレームとピットから延びる信号線など、わたしも以前 ミキシングコンソールの販売営業をしていた経験からも 若い方々にはワイヤリングなどの作業も知ってもらえたらと感じました。


新しいデイブ・グロールのSTUDIO 606に集まった トム・ペティー、ジョン・フォガティー、 特にスチィービー・ニックスのかっこいい事 (いい味出してます!)
ブッチ・ヴィグ( プロデュサー&エンジニア )のまとめ方はお手本になると思いますし、 リック・スプリングフィールド、リー・ヴィング と大御所の登場ですが やんちゃ坊主は変わらずで、ノリの良さには脱帽です。( すごい歌詞はとてもじゃないが訳せません。)
トレント・レズナーのコメントも興味深いところです どう新しいテクノロジーを加えていくかも大事ですよね!
最後は、ディブ・グロールがリスペクトする ポール・マッカートニーの登場です
さすがのグルーブ感は最高です、特にエンジニア的にはブッチ・ヴィグのレコーディングに関するコメントやジェームス・ブラウンのコメントに注意して頂けたらと思います。

さいごはエンドロールで最初のバンドネームを出演の方々にインタヴューするシーンになるのですが、だれもがバンド小僧だったのが解り なんだか昔を思い出し 自分のアマチュア時代を懐かしく感じた作品でした。
良い音をつくりたいという情熱に溢れる作品、
老も若きも楽しめる一作、お奨めします!

甲田乃次