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CEATEC JAPAN 2008
テーマ:「デジタルコンバージェンス、新たなステージへ」

 主 催:CEATEC JAPAN 実施協議会
     ・情報通信ネットワーク産業協会、
     ・社団法人電子情報技術産業協会、
     ・社団法人コンピュータソフトウェア協会
      の3団体共催

開催日 : 9月30日(火)〜10月4日(土)  5日間
会 場 : 幕張メッセ 1〜8ホール、
イベントホール、
国際会議場2,3F
出展数 : 807社/団体    うち海外27ケ国 289社/団体
来場者数: 196,630人


 今年のCEATEC JAPANは上記のテーマで幕張メッセにおいて開催された。急テンポで展開するデジタル家電製品、コンピュータ関連の大容量データの高速伝送、およびこれらを支える電子部品の高性能化を謳いあげていた。これらの底辺には、人のための、デジタルの収斂があると信じたい。つまり情報通信技術(ICT)の進展による環境変化がもたらす諸問題、セキュリティ、知的財産権、安全、安心、生きがいや、CO2削減へのグリーンITの推進などの収束である。

 今年の会場は  1〜4ホール デジタルネットワークステージ、
         5〜8ホール 電子部品・デバイス&装置ステージ
である。
 出展社数は昨年より少ない。北側の9〜11ホールがなくなったこともあり、会場が狭くなった分、密度が増したようであり見やすくなった。昨年は少々広すぎたきらいはある。ちなみに昨年の出展社数は、895社/団体であった。
 受け付けで来場者用のハンドブックを受け取ったが、なぜかこれは5〜8ホールのみのものであった。1〜4ホールの出展製品の詳細が分からない。昨年はどうであったか忘れてしまったが、これは不親切ではないか。
 家電メーカーの薄型テレビ競争はピークに来たようである。2011年完全移行の地デジ対応を意識した商品のデモンストレーションでにぎわった。
ソニーの「ブラビア」は9.9ミリになった。当然チューナーは同居できないから、チューナーから映像モニターへは映像信号を無線伝送である。昨年驚いた「有機ELテレビ」は見事な映像であり、パネルの厚さは0.3ミリとのこと。デモンストレーションの映像には、技術者が映像の映っているパネルをくるくる巻いていたが、ピンで壁にとめて高さ場所を選ばず自由に見られるのは時間の問題のようである。
 10月1日から「パナソニック株式会社」と新社名でスタートした、旧松下電器の「ビエラ」150v型プラズマディスプレイは、迫力満点の見事な映像であった。音も素晴らしい。非常に自然な色調であった。

 昨年、各社の部品ブースを見ていて感心したのは、素晴らしい部品を提供していることである。今回も部品関係は出展社数も多く、なかなか楽しい。外国の出展社がひとまとめになっていたが、これは日本のメーカーと混在させたほうが良いのではないか。言葉の壁から近寄りがたいが、それがグループを組んでいるとそこだけポッカリ空間になってしまう。一考を要するのではないか。
 日本ケミコン(通称ニッケミ)は、趣味の世界で大変お世話になっているが、今回発見(?)したのは、μ(マイクロ)がはずれたF(ファラッド)だけのコンデンサである。最初ミスプリントではないかと思った。担当者が近づいてきて、にこにこしながらμが無いんです、と言った。
オーディオの世界では、トランジスタでは、定格電圧50〜100v、容量20,000μFくらいであり、真空管では250〜550v、100μFくらいである。それが、μがないとなると….、1Fは1μの百万倍である。とてつもない容量なのだ。もっとも、出展されていたコンデンサは2.5vと15vであるが、複数のセルを組み合わせることにより1,000v以上も可能であるらしい。工業用のごく特殊なものである。しかし大きさは私たちが普段使う大きさである。私は100,000μFまで増設したことはあるが、このコンデンサには驚いた。
日本の電子部品やデバイスは素晴らしいものがある。日本人は本来このような小さい部品を作るのは得意なのだ。今年も神奈川のマックエイトが出展していた。この会社はプリント板の端子を作るメーカーである。通りがかりの子供たちにLEDやキラキラ光る部品のいっぱい入ったプラスチックの箱を配っていた。私もLEDクーラーをいっぱいもらった。
日本の電子部品の方向性に対して、某紙に「軽薄短小」をさらに追求した部品、とあったが、言葉は悪いが確かにこの方向であることは実感した。部品を前にしてうっかりくしゃみも出来ない。ユビキタス社会の急進化を支える回路部品等の要求からであろうか。
地方都市からの出展が目立った。沖縄、神戸、長野、三重、滋賀、長崎、新潟、柏崎、横須賀、鳥取、等々である。企業誘致に必死である。       (大野)
 
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