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【B型デジタルワイヤレスマイクの規格】
 2007年8月1日に告示されたB型デジタルラジオマイク(以下デジタル方式)の規格について説明いたします。
 デジタル変調方式等追加になりましたが、送信出力・スプリアス発射等はアナログラジオマイク(以下アナログ方式)の規格と変更ありません。
 もっとも大きな変更は占有周波数帯幅がアナログ方式の場合の110kHzに加えてデジタル方式の場合の192kHzが追加されたことです。
 そのため、アナログ方式の場合1チャネル空けてチャネル配置が可能でありましたが、デジタル方式の場合2チャネル空けての配置となります。
 一見デジタル方式の方がチャネル数の減少と思われますが、干渉妨害特性が優れているため同一エリアでの相互変調妨害を考慮する必要がなくチャネルの等間隔配置ができ、アナログ方式の6chより多い10ch使用が可能になります。
 また、同様に同一チャネルでの離隔距離(同じチャネルで使用する場合どれくらい離れれば問題ないか)も300mから150mへと短縮になります。
 つまり、デジタル方式によって周波数利用効率が大幅に改善されることになります。
 また、デジタル方式の場合、アナログ方式ではほとんど無視することができた音声遅延についても考慮する必要があります。
規格書では10mS以内が望ましいと記載されていますが、遅延量はメーカ努力により短縮される方向にあり、アナログ方式と同等にすることは理論上不可能ですが、ほとんど無視することができるまでには短縮されることが予想されます。
 また使用用途により10mS以上でも許容できる場合が考えられ、今後様々な製品が販売されることが予想されます。

【アナログ方式−デジタル方式混在使用】
 アナログ方式とデジタル方式を混在して使用する場合は、チャネルプラン及び離隔距離はアナログ方式のものを適用することになります。従って、デジタル方式のメリットは最大限に生かすことができないばかりか、デジタル方式の場合占有周波数帯幅がアナログ方式より広いため、例えばB1Xグループを使用する場合、B11とB12にはアナログ方式しか配置できないなどの制約が発生します。
 但し、あくまでも占有周波数帯幅を最大限に使用した場合であり、今後占有周波数帯幅の狭いラジオマイクも製品化されることが予想されるため、チャネルプラン等は各メーカによって変わることが考えられます。

【各メーカの製品化動向】
 Inter BEE 2007にB型デジタルワイヤレスマイクを出展したメーカは3社あり、2社は2008年4月に、残る1社は2008年10月発売予定とのことです。
まだまだ製造メーカ及び製品も数少ないですが、今後徐々に増えて行くことが予想されます。

【A型ラジオマイクの今後】
A型ラジオマイクのデジタル化に対する当連盟としての取り組みは、デジタル化のもたらすメリットは大きいと判断し導入の方向で進めてまいります。
但し、音声遅延の問題などまだまだ解決すべき課題があることから、アナログラジオマイクを存続させ、デジタルラジオマイクと共存の方向で要望していきたいと考えております。また、デジタル化に伴う周波数帯につきましても、放送事業者の理解を得ながら最適な周波数帯の確保を要望していきたいと考えております。
(宮前)
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