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 平成18年6月9日 東京都北区「北とぴあ」 瑞祥の間
・通常総会 15:00〜16:00
・感謝状授与式・功績賞表彰式 16:00〜16:45
・セミナー 16:45〜17:45

 セミナー・タイトル 「移動通信と周波数割当」
           講師:総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課
                           課長補佐  中村 治幸氏
 去る6月9日、特ラ連の会員である「北とぴあ」において行われました通常総会セミナーは、「移動通信と周波数割当」というタイトルで、われわれを取り巻く電波環境について、電波の使われ方、その分類、800MHz帯の状況、次世代移動通信システム等、多岐にわたり解説していただきました。今回はその一部分ですが会員の皆さんの関心が寄せられていると思われる3点にしぼり、分かりやすく説明していただきました。

 携帯電話の普及からもお分かりのとおり、移動体通信を中心に最近の電波需要は非常に旺盛で、電波は不足しています。今日は、その電波、特に利用密度の高い3GHz以下の電波がどう使われているか、また、最近注目を浴びている周波数帯が今後どうなるかについて、移動体通信を中心に、ご紹介したいと思います。


 図面1: 電波の使われ方を分類すると?


(周波数全体の利用動向について)
 周波数の利用は各国が勝手に決められる訳ではなく、基本的にはITUで決められた国際分配に従い国内分配を決定しています。電波は、波長0.1mm以下(3000GHz)の電磁波と定義されていますが、この中でも特に使い勝手の良い3GHz以下の周波数の電波は既に稠密に使用されています。
 利用形態は、円グラフからも分かるとおり、大まかには、通信、無線航行、放送で使用されています。レーダーや、航空無線航行など船舶・航空機の安全航行のために多くの周波数が使われているのは意外かも知れませんが、電波利用の発展形態を考えればごく自然です。





 図面2: 放送の跡地利用はどうなるか


(テレビの跡地利用について)
 現在、地上アナログTV放送のデジタル化が進められていますが、2011年に、アナログTV放送が終了すると、周波数の空き地ができます。具体的には、現行の1〜12chと、周波数の高い53ch以上が移動通信等、テレビジョン放送以外の用途に使用可能となります。現在、これら空き地となる周波数の有効利用に向け、周波数有効利用方策委員会で検討が行われているところで、先般、空き地の利用について広く公募がなされ、数多くの提案が行われたところです。


 図面3: 免許不要の局の周波数は意外と多い


(免許の要らない小電力無線局について)
 既に、免許の要らない無線システムは結構たくさん実用化されています。無線LAN、ラジオマイク、特定小電力の無線電話・テレメータ、ラジコン、コードレス電話等身近なものが多く含まれています。ユーザー側から見ると免許が要らないということから手続きがなく手軽に利用できますが、一方、一度この様な免許不要のシステムを導入すると、将来新たに電波需要が発生した際、電波の再利用が困難になると言う欠点もあります。
以上。

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