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 5月25日から27日までの3日間、東京 九段の科学技術館において、『映画テレビ技術2005』(主催:社団法人 日本映画テレビ技術協会)が開催された。情報通信月間推進協議会員である特ラ連は、昨年同様、情報通信月間行事としてブース出展した。
今年のテーマは、ズバリ『ワイヤレスマイクの正しい運用について』。免許取得までの流れから運用までをパネル展示し、同時に、全国約700の会員名をパネルに掲載。また総務省作成の不法電波追放ポスターやリーフレットにより、電波環境の重要性を訴えた。映画とワイヤレスマイクとの関係については、ロケ地での収録で、外来音など、必要としない音まで拾ってしまうなど、融和性の面で難しい部分もあるが、使い方によっては強力な武器にもなり、こういう機会を利用して特ラ連を知ってもらうことも大切であり意義があると思った。
テレビ関係で興味をひいたのは、放送に使われるハンディ型カメラ。昨年から、内蔵されている記録媒体に新しい動きがでてきたからだ。
A社が採用しているのはブルーレイ・ディスクを応用したもの。また、デジカメなどで使われている半導体メモリーを採用したB社と、どちらも従来のように磁気テープに依存するものでなく、かつ、民生用で培った技術をプロ向けにアレンジしているところが共通している。優れている点は前者が保存コスト、後者は携帯性など。パソコンによる映像の編集やインターネットで伝送できるなど、機動性に優れているのが特長である。放送技術はワールドカップやオリンピックなど定期的におこなわれる大イベントに向けて新技術が生まれる傾向にあるようで、今回出品されていたハイビジョン対応機種の製品化とともに、さらなる需要が見込まれそうだ。
映画については、『デジタルシネマ実験推進協議会』設立のパンフが目を引いた。これは、デジタルシネマにおいて、800万画素の[4K]といわれる高品質映像技術が、ハリウッドのスタジオ関係者に認められたことから、[4K]規格による高品質デジタルシネマを、ネットワーク流通における重要なデジタルコンテンツと捉え、流通技術、品質評価技術、セキュリティ技術の確立を目指し、実証実験、普及啓発、海外関係機関との連携を活動方針として、国際標準化に貢献していこうとするもので、総務省等、関係省庁がオブザーバーとなり、官、学、民が幅広く会員として名を連ねている。日本の技術が世界を主導していくのは、u−Japan戦略とも合致し、早期実現を望むところだが、これらデジタル技術の進歩で気になるのは、セキュリティおよび著作権の問題だ。ユビキタス社会は、情報を共有することができる反面、知らないうちに情報を盗まれる可能性もある。また、情報の開示と情報の保護という二律背反することに対し、どのように対処していくのか。悲しいかな個人のモラルに訴える時代ではもはやない。迅速な法体系の整備が望まれる。
会期中の入場者数は10,201名(主催者発表)だった。
(青木)   
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