特ラ連の今昔を思う

理事、会員の方に自由に書いていただきました

 
ためされる大地
 
株式会社 ウィークエンド
代表取締役社長 中根 慶之
 

 経済混迷の最中、心冷えきったニュースが山とある。「ためされる大地 北海道」は、さらに「ためされ度」を増した感がある。
 有珠山噴火により住民の二千人以上がまだ、避難生活を強いられている。そのなか、ミュージシャン福山雅治さんが、避難住民のために地元に出向きコンサートを開いた事が、暖かな話題となって流れた。
 個の善意が複数の感動を呼び大きな力になってゆく事を、音楽にたずさわる私達は、日頃から感じる事が多い。
 九年前に、大学生の企画で始まった「YOSAKOIソラーン祭」も北海道の初夏の大きな催しに成長した。今年は、道外二十四都道府県から三十一チームが参加し、三百七十五チーム、約三万八千人という過去最大の出場者を記録した。経済効果は、二百億円を超えたといわれている。
 この祭りは、もともと若者達の熱意ある連帯感が作りあげたものだ。現在も高校生、大学生などの若者達が祭りをささえる。その最中におきた事件は許しがたい。裏方作業中の若者達が爆発で負傷した。無差別に人を殺傷する卑劣行為事件だ。痛ましい事件だ。負傷した若者達の全快を祈りたい。
 しょぼくれた大地に一般市民のエネルギーが充ち充ちた数日間が過ぎると、7月には今年11年目を迎える「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」が始まる。故レナード・バーンスタインの提唱で創設されたこの国際教育音楽祭は、世界各国から厳しいオーディションを経てえらばれるPMFアカデミー生、若手音楽家の憧れの舞台でもあり
<苦手なクラシック>が市民に身近になる4週間の開催期間である。
 この秋には、初企画の大型国際音楽イベント「MIX2000 music&interactive
index」が10/5〜10/8に開催される。ライブ、見本市、セミナーの三つの柱からなる日本初の国際音楽イベントで、ジャンル、プロアマ、国籍を問わず国内外から約120アーティストが集まり、札幌の街を音楽で埋めつくそうというもの。音楽業界が、一般市民、国外、異業種、新人アーティスト、インディーズなどと交流機会を作り、新しいビジネスチャンスを見出される場を作る目的の大イベント。注目したい。
 個の『音』が、隣の個の『音』と共鳴しミュージックチェーンを作っていくのなら、たとえ小さな音楽の仕掛けでも、やがては大きな流れになるのなら、私個人も『音』を楽しむ事を、決して忘れないでいたい。
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