CEATEC JAPAN 2012 Smart Innovation 豊かな暮らしと社会の創造
テーマ「Smart Innovation 豊かな暮らしと社会の創造」
会  期2012年10月2日(火)〜6日(土)午前10時〜午後5時
会  場幕張メッセ ホール1〜8
主  催CEATEC JAPAN 実施協議会(CIAJ JEITA CSAJ)
後  援総務省、外務省、経済産業省、ジェトロ、
日本放送協会、日本民間放送連盟 他
入場者数162,219名   主催者発表
特ラ連
会員数
運用連絡数 19社
使用
マイク数
デジタル×2本、2帯×19本、4帯×35本、2/4×36本 計92本
チャンネルプラン特ラ連 事務局  木村

今年も幕張メッセでシーテック・ジャパンが開催された。昨年は、未来をつくる最先端技術、というやや抽象的なテーマだったが、今年はより具体的なテーマで身近になってきた感じである。それはスマートライフの名のもとに各種ネットワークによる情報交換がより鮮明になり、一般的になってきたからでもあろう。更に誰でもが手に出来るモバイル機器の急速な普及があったればこそである。

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村田製作所
ローム
ソニー
電気自動車
ソニー
ビフレステック

 実施協議会の下村会長は10月1日の記者会見で
「12年の国内経済環境は東日本の大震災をはじめとした災害から持ち直してきてはいるが、欧州の金融不安、円高、電力不足など懸案も多い。この状況を打開するのはITとエレクトロニクスということになる。会場ではモビリティ、エネルギー、ヘルスケアをキーワードに展開し、日本のITとエレクトロニクスの活力を世界に発信していく」(電波新聞10月2日号より)と語った。
 1958年、この機器展の母体であるテレビラジオ・パーツショーがスタートした。60年にテレビのカラー本放送がスタート、家庭においてはテレビ、冷蔵庫、洗濯機が三種の神器であり、スマートライフがスタートした。その後名称は、エレクトロニックパーツショーとなり、62年に、第1回日本電子工業展が開催され、2000年にシーテックとなったのである。
 大きく、キーテクノロジーステージ、ライフ&ソサエティ ステージ、スマートモビリティイノベーションの三つに分かれている。
 
 キーテクノロジーステージ 電子部品、デバイス部門では、昨年(11年)は一昨年(10年)に比べ成績はよくなかったが、今年(12年)は盛り返しそうである。昨年ダウンは東日本大震災やタイの大洪水などの影響にもよる。
 日本が世界に誇るもの作り技術による、半導体、デバイス、電子部品などが一堂に会した。アルプス、ミツミ、多治見、日ケミ、ニチコン、ルビコン、フォスターなど、若いころからなじみの会社は、極めて高度の技術による部品を展示していた。
 89年の歴史をもつ多治見無線のワンタッチ防水コネクターには驚いた。防水コネクターの必要性すら考えたこともなかったが、光、丸型、同軸などのすべてに防水仕様がラインナップされているそうである。
 毎年展示を見て驚くのはパーツの小型化と性能アップである。
 この前もそうであったが、軽薄短小、というキャッチコピーが少々気になる。
 世界最小のチップインダクタ0201サイズが出現した(村田製作所)。0201とは0.2ミリ×0.1ミリ×0.1ミリサイズのこと。カッテイングの高精度化などによって可能となった。ほかにローム鰍ナは、0402サイズのツェナーダイオードを出品。他国の追従を許さないのではないか。
 今回驚いたのはEV(electric vehicle 電気自動車)が並んでいたことである。
 ホール1 には、車が走行できるコースまであった。こんなことはこの機器展では初めてのことである。これからはEVの時代、部品メーカーは、スマホから自動車に鞍替えするのではないか。
 またテレビの解像度が上がった。ソニーの4Kテレビ、パナソニックでは8Kテレビを展示。きめ細かさは驚くものがあるが、しかし初めてハイビジョン映像を見たときのような感動は得られなかった。
 タムラ製作所では、新しいトランスが展示されていたが、担当者の話では私でも買えそうな価格のようである。当然真空管用である。見ただけで良い音が聞こえそうな300Bシングルアンプが展示されていた。これなどは価値の分かる人のスマートライフ用である。
 ビフレステック(株)のスピーカのナチュラルな音はスピーカの存在を意識させない。それは反射のないタマゴ型スピーカであり、2個のスピーカの間に奥行きのある音を聞き取ることが出来る。スピーカユニットのコーティングの徹底した追及、および黄金比に基づくデザイン。理論と確かな耳によって作り上げられたスピーカである。さらにユニークな製品があった。それはテーブルをスピーカとしてTVの音などが聞ける、Oki Dokiという製品。これは難聴の人には非常に便利である。
 スマートライフのひとつとして、スマホからの指示で家電製品が留守中に用を足すのは現代なら誰でも考えること、それらの実演が行われていた。なんでも一個630円の部品を家電に入れるとスマホで操作出来るようになるそうだ。よく分からないが、うそのようなホントの話。

(大野)