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Q&A


Q27: コンパンダ方式とリニア方式の違い

コンパンダ方式のコンパンダとは、コンプレッサ(Compressor:圧縮回路)とエキスパンダ(Expander:伸張回路)の造語です。
 各メーカより各種の方式が考案されていますのでここではごく一般的な方式について記載します。
 マイクから入力されたオーディオ信号を、対数比で1/2に圧縮したものを送信し、受信機側で2倍に伸張して元の信号レベルに復元するシステムです。(図-1参照)
 雑音レベルや受信機の歪みの影響を受けない部分を利用して伝送するため、見掛け上のSNが良くなります。
また、強い音を弱めて伝送するため、電波を占有する帯域が狭くて済むという特徴がありリニア方式に比べ同時に使用できるチャネル数が多く取れます。
 欠点としては、アナログ信号を、VCA(電圧制御増幅器)などを用いてリアルタイムに圧縮、伸張を行うため、音の再現性はリニア方式に比べ劣ります。

図-1コンパンダ方式概念図

一方リニア方式は、圧縮、伸張などの処理を一切行わずに文字通り、マイクから入力されたオーディオ信号をそのまま電波に載せて伝送し受信機側でもそのまま出力するシステムです。
 コンパンダ方式に比べ回路構成が簡単であり、オーディオ信号に余計な処理を加えないため音の再現性は優れています。
強い音はそのまま伝送する必要があるため、電波を占有する帯域が、コンパンダ方式に比べ広く同時に使用できるチャネルが少なくなるという欠点があります。
 現在、市場に流通しているほとんどの特定ラジオマイクはコンパンダ方式のようです。コンパンダによる音の劣化が許容できる範囲内であることと、チャネル数が多く取れることが大きな要因と思われます。

特ラ連 技術委員長  宮前 真二(潟^ムラ製作所)


Q28: 電波を送信するときの基本は

ワイヤレスマイクを使うにあたり、電波法など法令上の立場から気をつけなければならないことがあります。条文を記し簡単に説明します(下線および注は筆者による)。

【電波法】 (目的外使用の禁止等)
 第五十二条 無線局は、免許状に記載された目的(筆者注1) 又は通信の相手方(注2) 若しくは通信事項(注3) (放送をする無線局(電気通信業務を行うことを目的とするものを除く。)については放送事項)の範囲を超えて運用してはならない。〜以下 略〜

  • (注1) 「音響業務用」あるいは、「放送事業用」であること
  • (注2)「免許人所属の受信設備」であること
  • (注3)「音響業務用」、「放送番組素材の中継に関する事項」などであること
第五十四条 無線局を運用する場合においては、空中線電力は、次の各号の定めるところによらなければならない。ただし、遭難通信については、この限りでない。
  1. 免許状等に記載されたものの範囲であること(注4)
  2. 通信を行うため必要最小のものであること (注5)
    ・(注4) (注5)10mwあるいはそれ以下であること(アナログの場合)
(混信等の防止)
 第五十六条 無線局は、他の無線局又は電波天文業務(宇宙から発する電波の受信を基礎とする天文学のための当該電波の受信の業務をいう。)の用に供する受信設備その他の総務省令で定める受信設備(無線局のものを除く。)で総務大臣が指定するものにその運用を阻害するような混信その他の妨害を与えないように運用しなければならない。 〜以下 略〜

【無線局運用規則】 (無線通信の原則)
第十条 必要のない無線通信はこれをおこなってはならない。 〜以下 略〜

(発射前の措置) 第十九条の二 無線局は、相手を呼び出そうとするときは、電波を発射する前に、受信機を最良の感度に調整し、自局の発射しようとする電波の周波数その他必要と認める周波数によって聴守し、他の通信に混信を与えないことを確かめなければならない。 〜以下 略〜

2 前項の場合において、他の通信に混信を与える虞があるときは、その通信が終了した後でなければ呼出しをしてはならない。

・電波を発射する前に、他の通信に混信を与えないことを確かめ、混信を与えるおそれがある場合は、先に電波を出している無線局を優先してくださいということです。

(青木)

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