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第45回2009国際放送機器展

会 期11月18日(水)〜20日(金) 3日間
会 場幕張メッセ 展示ホール4〜8/国際会議場
主 催JEITA 社団法人 電子情報技術産業協会
後 援社団法人 日本民間放送連盟(NAB-J)、日本放送協会(NHK)
運 営一般法人 日本エレクトロニクスショー協会
入場料無料(登録制)
出展者数816社(うち海外466社)過去最大、出展小間数:1,391小間
来場者数31,694名                    公式発表

主催者であるJEITA大坪文雄会長の挨拶より

第45回2009国際放送機器展 2011年7月アナログテレビ放送終了を目前に、日々とどまることのない映像技術の進化が放送業界におけるHD制作、3Dコンテンツ制作新時代の到来を告げています。今回は伝統的な放送技術に加え、通信、IT、音響、ライティングなど、広範な技術分野を俯瞰し、放送の進化と変化を体感できる総合的な展示会を開催します。(電波タイムズより抜粋)
 福地茂雄NHK会長は、民放大会のおりに来賓の挨拶として、デジタル化へ向けてNHKと民放の共同歩調を強調していた。
 総務省調査によると、地デジ化に対する浸透度は加速度的に進んでいるようであり、アナログ停波の時点では、94.1%が地デジ対応の受信機を保有すると見ている。

 今年は出展者数は増えたが、年々狭くなっているようである。プロ・オーディオは4ホールのみであり、昨年一緒だったライティング関係は8ホールに移動していた。
 いまや3D映像が世界的な流れになっているそうだ。その3Dのライブ映像を見ようと思っていたのが、あまりの関心の高さに驚いた。
会場写真ソニーのブースは黒山の人だかり。巨大なスクリーンにはライブ映像が映っているのだが、メガネがなけりゃ、ただの手ぶれで失敗した二重写真を見るようなもの。これだけ人が多くては専用メガネを手に入れるのが大変である。これは迫力ある。同社では、一つのレンズで3D撮影できる業務用カメラを開発した(詳しくはJPPAレポート10月号を)。また360°どの位置からでもメガネを使わずに立体で見えるディスプレイも開発した。
 パナソニック、ソニーでは2010年にはHDの3D対応うす型テレビを発売するようだ。
そこで問題はソフトである。これがなければ話にならない。そこでパナソニックでは、カリフォルニアのパナソニックハリウッド研究所で3Dの映画をBD(ブルーレイ)化する事業をスタートしたそうである。
 3D戦争開戦の様相を呈してきた。サムスンも参戦する様子である。
会場写真 CEATEC JapanのおりにLEDはアレンジしだいでいろいろな使い方があると感心したのだが、ストレートに撮影の照明器具として展示していた、システムワークスのパネルライトは見事である。電球色から昼光色に調光できるそうだ。フィルターを通して色温度を変える手間は省けるから撮影は随分スピードアップになるであろう。これからのスタジオライトの定番になるだろうとのこと。 
 サークルのブースでは面白いものを見た。昆虫の目線で昆虫が撮れるカメラである。レンズはまるでショットガンのようだ。残念ながら昆虫は作りもの、これが動いていたら面白いのだが。レンズの径と長さから考えるとF値は高そうだ、すると照明は大変だと思うが、これは素人考えか。アニメではなく実写の昆虫主役のドラマも作れるのではないか。
 ドリームでは、もうすっかりおなじみになったフラットパネルスピーカを展示。専用のデジタルアンプや、指向性がシャープなのがこのスピーカの売りだが、背面の音も前に出すことで広がりをもたせるスピーカも展示されていた。
 タムラ製作所ではおなじみのデジタルインカム、蛍光管型LEDランプ使用の照明としての機能を持ちながら通信も出来るという光インカム、そしてA型デジタルワイヤレスマイクシステムの参考出品。デジタルポータブルミキサーはアナログミキサーと同じ機能と操作性で生放送を重視した仕様であり、操作部分は分かりやすい。価格は私の現役時代に比べたら比較にならないくらい低価格である。
 国際会議場では、例年の民放技術報告会、各種シンポジュウム、セッションが行われた。

メッセのロビーから会場を見下ろすと、デジタルの大きな流れは有無を言わさず下にいる人たちを巻き込んでいるのだ。このスピーディな技術革新を否定するつもりはないが、あらゆる分野の競争において勝ち組、負け組に分割されるわけである。勝ち組は開発した機器類を駆使して文化を成熟させているだろうか。このあたりに少々疑問が残るのである。

大野
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